小児疾患一般
小児疾患一般
当院は、「病気のときも、育ちも、子育ても、」ずっと応援します。日ごとに変化していく子どもたちのからだとこころに寄り添いながら、幅広いご相談に対応しています。
発熱や感染症をはじめ、アレルギー疾患や皮膚の湿疹、頭痛、腹痛といった日常的によくみられる症状全般のほか、例えば次のようなご相談もお受けしています。
どんな小さなことでも構いません。どうぞ遠慮なくご相談ください。お子様の状態をわかりやすくご説明し、ご家族の思いや状況に合わせて、無理のない、納得のいく診療や支援を心がけています。なお、より詳しい検査や専門的な治療・入院が必要と判断される場合には、適切な専門医療機関へのご紹介も迅速に行います。
ごく少量の採血で、一般血算およびCRP等の測定を行います。感染症の程度、白血球増加や貧血の有無などが分かります。詳しい血液検査は、外部の検査機関に依頼し、数日で結果が届きます。
けいれんや脱水時の低血糖、糖尿病(高血糖)をスクリーニングします。
蛋白、糖、潜血、白血球、ケトンなどを調べます。
インフルエンザ、新型コロナ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、マイコプラズマ、溶連菌、水痘、アデノウイルス、便ノロウイルス、便ロタウイルス、便アデノウイルスなどの迅速検査を実施しています。
肺の容積や、空気を出し入れする換気機能を調べる検査で、肺の病気の診断や重症度などの評価に役立ちます。
気管支喘息など、吐き出す息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定することで、気道のアレルギー性炎症の状態を評価する検査です。吸入ステロイド薬などの抗炎症治療の効果を評価することもできます。
胸部や腹部、頭部や四肢のX線撮影が可能です。
頭頸部・心臓・腹部等の検査を行います。
胸の痛みや動悸などの症状があるとき、また健康診断として行います。心臓のリズムや電気の流れを調べることで、不整脈や心疾患の有無を確認できます。
特に注意が必要なのは、生後3か月未満の赤ちゃんの発熱です。重い感染症の可能性があるため、体温は適切かつ慎重に測ることが大切です。明らかに普段より熱が高いときは、休日や夜間であっても医療機関を受診するか、#8000(小児救急電話相談)へご相談ください。
また、日ごろからお子様の平熱を知っておくことも大事です。赤ちゃんは、抱っこや授乳後、入浴後などに一時的に体温が上がることがあります。
生後3か月以降でも、40℃以上の高熱が出た場合や微熱が長く続く場合には、一度受診をおすすめします。さらに、以下のような症状もあるときは、すぐに受診してください。
熱性けいれんは、乳幼児(おおよそ5歳ごろまで)に発熱をきっかけに起こるけいれん発作です。全体の7〜8%にみられる、比較的よくある病気です。
けいれんのときには、意識がなくなり、白目をむいたり、体が突っ張ったり、手足がガクガクと震えたりします。突然の症状に驚いてしまいますが、まずは落ち着いて対応することが大切です。
発熱や下痢、嘔吐などで体の中の水分や電解質(ナトリウムなど)が失われた状態を「脱水」といいます。乳幼児は体に占める水分の割合が多く代謝も活発なため、あっという間に脱水になってしまうことがあります。特に夏場や感染症による発熱・下痢・嘔吐が続くときは注意が必要です。
脱水を防ぐには、こまめな水分補給が大切です。水だけでなく、必要に応じて経口補水液(OS-1など)を活用しましょう。下痢や嘔吐がある場合は、無理に一度にたくさん飲ませず、少量ずつこまめに与えることがポイントです。
お子様が「息苦しそう」「呼吸が速い」「ぜーぜー・ヒューヒューと音がする」といった症状を示す場合、呼吸に何らかの障害が起きている可能性があります。呼吸障害は、肺炎、気管支喘息、クループ症候群、RSウイルス感染症、誤嚥など、さまざまな原因で起こります。
これらの症状があるときは、速やかに医療機関を受診してください。夜間や休日であっても、「様子がおかしい」と感じたら、ためらわずに救急車を呼んでください。
「呼びかけに反応しない」「目線が合わない」「いつもと様子が違ってぼんやりしている」
このような状態は、意識障害のサインかもしれません。脳の働きが一時的または持続的に低下し、意識が正常に保てなくなっている状態です。小さなお子様は変化が急に進むことがあるため、特に注意が必要です。救急車を呼んでください。
子どもで一番多いのは便秘です。急に痛くなり、元気・食欲があり、痛みは周期的で、浣腸して便が出るとケロッとして元気になります。浣腸は治療というより検査の意味合いが強く、それで改善がない場合は、排出便や便の血性の有無を確認しながら、外科疾患も考慮に入れて精査をすすめます。腹痛の原因は多岐にわたりますので、症状が強ければきちんと検査(エコー検査、採血、検尿、X線写真など)を行います。ちなみに、おむつやパンツの中の観察を行うことも重要です。
最近、「頭が痛い」と訴えて来院されるお子様が増えています。頭痛の原因はさまざまですが、「片頭痛」であることが少なくありません。大人の病気のイメージがあるかもしれませんが、小学生のころから発症するお子様も多くいます。ズキズキと脈打つような痛みが特徴で、光や音がつらくなったり、吐き気やおなかの痛みを伴ったりすることもあります。
また、スマートフォンやゲームなどで長時間同じ姿勢をとることが多い現代の子どもたちには、筋肉のこりが原因となる「緊張型頭痛」も増えています。これは、頭全体が重く感じられたり、締めつけられるような痛みを感じたりするタイプの頭痛です。
さらに、思春期によく見られるのが、「起立性調節障害」に伴う頭痛です。これは、自律神経の働きがうまく整わないことによって起こるもので、朝がつらい、立ちくらみがある、だるさが抜けないといった症状と一緒に頭痛が見られます。
まれに命に関わる病気が隠れていることもあります。急に強い頭痛が始まり、首を動かすと痛がる、熱がないのに吐き気や嘔吐が続く、意識がもうろうとしている、――こういった場合には、髄膜炎や脳の病気などの可能性もあるため、すみやかに受診が必要です。
学校や日常生活に支障があるようであれば、無理をさせずに早めにご相談ください。
小児の胸痛は、重大な病気であることが意外に少ないです。体をひねったり、激しく運動したあとや、咳やくしゃみをしたときなどに、胸の筋肉や神経に刺激が加わって痛みが出ることがあります。また、心配ごとやストレスが続いていると、検査では異常が見つからなくても「胸がチクチクする」「苦しい感じがする」といった訴えが出ることもあります。ただし、まれではありますが、心臓や肺などに関わる病気が原因で胸痛が起きることもあります。次のような症状があるときは、早めの受診をおすすめします。
とくに成長痛の訴えは、幼児期によく見られます。「夕方から夜にかけて歩けないほど痛みを訴える」にもかかわらず、朝にはすっかり元気に戻っているというのが特徴です。ふくらはぎやひざのまわり、すねなどに痛みが出ることが多く、日によって痛む場所が変わることもあります。原因ははっきりとはわかっていませんが、体の成長や疲れ、精神的な不安などが影響していると考えられています。病気ではないので、やさしくさすったり、温めたり、安心させてあげることで痛みがおさまり、夜は寝てくれることがほとんどです。ただし、次のような場合には、成長痛以外の病気の可能性もあるため、早めにご相談ください。
「成長過程のひとつかな?」と思いつつも、心配なときには遠慮なくご相談ください。
子どもの耳の痛み(耳痛)の原因としてもっとも多いのは、「急性中耳炎」です。
風邪をひいたあとなどに、鼻やのどの奥から細菌やウイルスが耳管を通って中耳腔に入り、炎症が起こることで痛みが出ます。特に、乳幼児ではよく見られます。
一方で、以下のような場合も、耳が痛いと訴えることがあります。
当院では、必要に応じて耳の中を掃除して、丁寧に鼓膜を観察いたします。
血便にはさまざまな原因があり、見た目だけでは判断できないことも多いため、まずは落ち着いて観察することが大切です。まずは、血便の原因としてよくあるものを以下に示します。
受診の目安、次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
必要に応じて便検査や血液検査、アレルギーの評価などを行います。
おしっこに血が混じる「血尿」は、見た目でわかる赤や茶色のおしっこの場合(肉眼的血尿)と、見た目は普通でも尿検査で血が混じっているとわかる場合(顕微鏡的血尿)があります。
血尿の原因には以下のようなものがあります:
以下のような症状を伴う場合は、早めの受診が必要です
小さなお子様は、尿の色の変化に自分で気づかないこともあります。おむつの色やトイレ後の尿の色などを、日頃から保護者の方がよく観察することが大切です。
また、血尿がみられた場合、可能であれば尿を少し採って持参いただくとスムーズです。

